皆さんは山に行く時にどのように天気を調べているでしょうか?
もしかして「てんくら」(てんきとくらすのアプリ)だけを見て判断していませんか?
てんくらでは、登山をするための快適さを登山指数(A、B、C)として表示します。
登山に適しています
風または雨が強く、やや登山に適していません
風または雨が強く、登山に適していません
[登山指数について]
登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いてレベル値で表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
また、山頂付近の天気は麓付近とは異なる場合がありますのでご注意ください。
登山指数には火山の噴火に関する情報は含まれておりません。火山情報の詳細はこちらをご確認ください。
例えば、「今日はAランクだから行こう」というだけで出発してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、それだけでは山の天気を十分に把握できないことも多いです。
山登りにおいて、天気予報をしっかり調べることは計画の中でも最重要事項です。
ただし、山の天気は平地と異なり、変わりやすく予測が難しい場合があります。
そのため、複数のツールを使って総合的に判断することが必要です。
今回ご紹介する6つのツールを使えば、初心者でも視覚的に天気の流れを把握でき、登山計画をしっかり立てることができるようになります。
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
方法1: 【tenki.jp】
特徴と使い方
「tenki.jp」は気象庁のデータを基にした、日本国内の天気予報を提供する信頼性の高いサイトです。このツールは、特に麓の天気を確認する際に非常に便利です。例えば、奥穂高岳に登る場合は、麓の上高地の天気を検索します。
具体的な手順:
1.検索バーに「上高地 天気」と入力。
2.表示される10日間天気予報を確認。
3.10日前から大まかな天気の傾向を掴む。
この時点では詳細な情報を深掘りする必要はありません。「いつごろ晴れるのか」「雨の傾向が強いのか」などをざっくり把握し、計画を練り始めます。
注意点:
・天気予報はあくまで大まかな傾向を掴むためのもの。
・麓の天気だけでは山頂付近の情報が不足するため、次のツールと組み合わせて利用します。
方法2: 【ヤマテン】
特徴と使い方
ヤマテンは山岳専用の有料天気予報サービスで、特に「専門天気図」が役立ちます。この天気図では10日前から気象の流れを確認でき、山岳地帯特有の天気変化を把握することが可能です。
具体的な手順:
1.サイトにログインし、目的地の山を検索。
2.「専門天気図」で山岳地帯の降水量、風速、気温をチェック。
3.登山当日や直前の予報では、「降水開始時間」や「風の強さ」を確認。
例えば、奥穂高岳の場合、登山予定日が9月4日なら、その10日前から専門天気図で降水量や気圧配置を確認します。特に、風速や気温は行動計画や装備選びに直結します。
メリット:
・山岳ガイドや経験者にも支持される高精度の予報。
・登山当日の詳細情報を確認しやすい。
注意点:
・有料サービスであるためコストがかかる。
・初心者にはやや専門的な情報が含まれる場合がある。
方法3: 【mountain-forecast.com】
特徴と使い方
mountain-forecast.comは、海外の山岳天気予報サイトで、特に標高ごとの天気を詳しく確認できる点が魅力です。山の天気は標高によって大きく異なるため、麓、中腹、山頂の情報を分けて確認するのに役立ちます。
具体的な手順:
1.山の名前をローマ字で検索(例: 奥穂高岳 → Okuhotakadake)。
2.標高別に「気温」「風速」「降水量」を確認。
3.「凍結高度」を見て、雪山登山の場合は装備を調整。
mountain-forecast.comの大きな利点は、5日先までの予報を確認できる点です。さらに、凍結高度を見て雪や氷の状況を把握できるため、冬山登山を計画する際には非常に有用です。
注意点:
・英語表示の場合があるため、日本語に翻訳して使用。
・平地の天気予報と異なり、風や気温に重点を置いて確認する必要がある。
方法4: 【Windy】
特徴と使い方
Windyは、世界中の天気を直感的に確認できるツールで、特に視覚的なデザインが特徴的です。雨雲の動き、風の強さや向き、気温などを地図上で簡単に確認できます。
具体的な手順:
1.地図上で登山予定地をクリック(例: 奥穂高岳の山頂)。
2.「気温」「風速」「降水量」「最大瞬間風速」を確認。
3.必要に応じて時間帯を変更し、詳細をチェック。
Windyでは、5日先までの予報を無料で確認できます。さらに、有料版では15日先までの天気を確認できますが、5日間の範囲で十分実用的です。
おすすめの使い方:
・強風の予測に基づき行動計画を調整。
・降水量が多い時間帯を避けてスケジュールを組む。
方法5: 【ウェザーニュースの雨雲レーダー】
特徴と使い方
ウェザーニュースの雨雲レーダーは、リアルタイムの雨雲の動きを詳細に確認できるツールです。60時間先までの予報が可能で、特に直前や当日の天気確認に役立ちます。
具体的な手順:
1.地図上で目的地を表示。
2.時間を進めて雨雲の動きを確認。
3.降水のタイミングを把握し、行動計画を調整。
このツールは、特に登山当日の判断に非常に役立ちます。例えば、「何時頃から雨が降り始めるのか」を確認することで、下山のタイミングを調整できます。
メリット:
・スマホアプリとしても利用可能で、行動中の確認が簡単。
・短時間の予報精度が高い。
方法6: 【SCW (スーパーコンピューター予測)】
特徴と使い方
SCWは、スーパーコンピューターの計算データを基にした予測ツールで、特に雨雲の流れを直感的に確認できます。山岳地帯特有の降水パターンを把握するのに最適です。
具体的な手順:
1.サイトにアクセスし、目的地を表示。
2.時間を進めて降水のタイミングと強さを確認。
3.気圧や風速、湿度もチェック可能。
SCWの大きな特徴は、非常に詳細な雨雲の動きをリアルタイムで確認できる点です。例えば、「登山中に雨が強くなる時間帯を事前に知る」ことで、行動計画を柔軟に変更できます。
メリット:
・視覚的に非常に分かりやすい。
・短期間の予報に特化している。
総合的な使い方と注意点
これらのツールを単独で使うのではなく、複数のツールを組み合わせることで、より正確な判断が可能になります。例えば、以下のような流れで利用するのがおすすめです:
1.「tenki.jp」や「ヤマテン」で長期的な天気の傾向を把握。
2.「mountain-forecast.com」や「Windy」で詳細情報を確認。
3.「ウェザーニュース」や「SCW」で直前や当日の状況をチェック。
また、天気の傾向を確認する際は、以下のポイントに注意しましょう:
・単に「晴れるかどうか」だけでなく、「何時から雨が降るか」「風の強さ」「気温の変化」を必ず確認する。
・山では気温の低下や風速の影響が大きいため、装備計画に反映させる。
これらのツールを活用すれば、山の天気を多角的に把握し、安全で楽しい登山計画を立てることができるはずです。
ぜひ試してみてください!