登山

登山の虫刺され対策!おすすめの方法やアイテムを紹介!

今回は登山中に虫に刺されることを前提として、備えるべき必須アイテムについて詳しく説明していきます。

別の記事で「虫除けスプレー」を用いた虫除け対策をご紹介しましたが、山の中では虫除けスプレーだけでは防ぎきれず、実際に刺されてしまうことも少なくありません。

そんな時のために「虫に刺された時に役立つアイテム」を用意しておくことが非常に重要です。

これから紹介するアイテムはすべて非常に軽量でコンパクトなので、登山中も負担なく携帯できます。

また、いざ虫に刺された際に「あってよかった!」と思えるものばかりですので、ぜひ登山の際はお守り代わりに必ず持ち歩いてください。

山中で人間に害を及ぼす代表的な虫

さて、山の中で人間に害を及ぼす代表的な虫を挙げていきましょう。まず誰もが思いつくのが「」ですね。蚊に刺されると非常に強い痒みが生じ、集中力が削がれる原因にもなります。次に「ブヨ」がいます。ブヨは蚊に比べると刺された際の痒みと痛みが格段に強く、刺されると腫れも大きく、長期間痒みが続くことが特徴です。

また、「マダニ」も登山中に遭遇することがあり、特に注意が必要です。マダニは様々な感染症を媒介する可能性があり、最近ではマダニによる感染症の発症が増加傾向にあると報告されています。マダニは気づかぬうちに吸血するため、感染症リスクが高いだけでなく、見過ごしがちな存在でもあります。

さらに、「」も山ではよく見かける害虫の一つです。蜂に刺されると激しい痛みが伴い、アレルギー反応を引き起こすことがあります。特にアナフィラキシーショックを引き起こす危険があり、最悪の場合は命に関わるため、慎重な対応が求められます。最後に「アブ」も非常に痛みが強く、刺されると集中力がなくなるほどの痛みを感じることがあります。

このように登山中に遭遇する虫には、即座に痒みや痛みを引き起こすもの、そしてアレルギー反応や感染症など重症化リスクを持つものがいるため、症状に合わせた適切な対処が求められます。

マダニに対する対策

まずは、特に怖い「マダニ」に対する対策からご紹介します。

マダニは鹿やイノシシなどの野生動物が生息する場所に多く見られ、特に登山中の環境で遭遇することが多い害虫です。

マダニは吸血してもほとんど痛みがないため、刺されても気づかないことが多くあります。

さらに、マダニは皮膚に口器(こうき)を突き刺して長時間吸血を行うため、無理に引き抜こうとすると口器が皮膚内に残ってしまい、感染症リスクが高まります。

日本では「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や「ライム病」といったマダニ媒介の感染症が増えており、最悪の場合、死に至ることもある非常に怖い感染症です。

そこで役立つのが「ティックツイスター」です。

ティックツイスターは、マダニ除去に特化したツールで、3つの異なる大きさのツイスターがセットになっています。

大きいサイズは2g、中サイズは1g、小サイズは0.6gと軽量で、3つ合わせても3.6gと持ち運びしやすいアイテムです。

ティックツイスターの使い方は簡単で、マダニと肌の隙間にツイスターを差し込んでくるくる回すだけで、簡単にマダニを取り除くことができます

ピンセットを使うとマダニの体を強く引っ張ってしまうため、口器が皮膚に残る可能性があり、非常に不安定です。

ティックツイスターなら安全に、そして確実にマダニを除去することができるので非常に便利です。

私も登山の際には、ポーチにティックツイスターを入れて持ち歩いています。

ティックツイスターには通常のタイプの他に、カラビナタイプもあります。

カラビナタイプはティックツイスターを簡単に取り出せるよう設計されており、例えば犬の散歩などで持ち運びやすく、日常的なアウトドアシーンでも便利です。

私は登山時には通常タイプのティックツイスターを、日常のアウトドアシーンにはカラビナタイプを使い分けています。

蜂刺されに対する対策

次に、山で遭遇することが多く、非常に危険な「蜂」に対する対策について詳しく説明します。

蜂に刺されると、その毒によって刺された部分がすぐに赤く腫れ、熱を持って痒みが生じます。

さらに、蜂毒の恐ろしい点は、刺された直後は平気でも、時間が経つにつれて症状が悪化することがある点です。

約1時間後には吐き気や腹痛、じんましん、さらには息苦しさなどの全身症状が出ることもあり、登山中であれば速やかに下山することが重要です。

私も以前、友人が登山中に蜂に刺されてしまい、その時は1泊2日の予定でしたが、すぐに下山し、友人が病院へ行けるようサポートした経験があります。

後になって思うと、無理をせずに即時に下山を決断したのは非常に賢明だったと感じています。

蜂刺されのもう一つの恐ろしい側面は「アナフィラキシーショック」のリスクです。

アナフィラキシーショックは、蜂刺されによる急激なアレルギー反応で、日本国内でも年間50人ほどが蜂によるアナフィラキシー症状を報告されており、その中でも死亡例の多くは蜂による刺傷が原因です。

特に2回目以降の蜂刺されでは、体が過剰反応しやすく、呼吸困難に陥る可能性が高くなります

蜂は獰猛で、走り回ったり手で払ったりすると攻撃性が増し、集中的に刺されるリスクがあるため、蜂に遭遇したら焦らず静かにその場を離れることが大切です。

さて、蜂に刺されてしまった場合の対処法について説明します。

まずは、刺された場所に蜂の針が残っていないか確認しましょう。

蜂の針が残っていた場合は、ピンセットで慎重に取り除きます

私が使用しているのは「ビクトリノックス クラシック」という多機能ナイフで、これにはピンセットも付属しています。このピンセットで蜂の針をしっかりと掴み、抜き取ります。

その後、「ポイズンリムーバー」を使用して刺された箇所から毒を吸引します。

私が愛用しているのは「エクストラクター」というポイズンリムーバーです。

ポイズンリムーバーの効果に関しては賛否があり、医学的にはその有効性が完全に実証されていない部分もありますが、私の場合、刺された直後にリムーバーで吸引すると、その後の痒みや痛みが緩和されるのを実感しています。

そのため、蜂に刺された場合には迅速にリムーバーを使い、できるだけ毒を吸い出すようにしています。

次に、刺された箇所を清潔な水でしっかりと洗浄します。

傷口を洗浄する際には「プラティパス」のウォーターボトルに穴を開けたキャップを装着し、水圧を高めて洗浄するのが便利です。

この方法で、蜂刺されだけでなく、ブヨやアブなどの刺傷にも対応しています。

傷口を清潔に保つことで感染症のリスクも軽減できます。

その後、刺傷の痛みや炎症を抑えるために薬を使用します。

私の場合、まず抗ヒスタミン剤として「ムヒアルファEX」を使用します。

ムヒアルファEXは痒みを抑える成分が含まれており、即効性があるため、蜂刺され後の痒みが和らぎます。

また、傷口が炎症を起こし、細菌感染が懸念される場合には、抗生物質入りの軟膏「テラマイシン」を使用しています。

これは化膿止めの効果があるため、刺傷箇所をかきむしってしまっても二次感染を予防する効果があります。

さらに、腫れや痛みがひどい場合には、ステロイド剤も併用します。私は「リンデロンVs」というステロイド軟膏を使用しており、これはOTC医薬品の中では最も強い部類のステロイド剤です。

リンデロンVsを塗布することで、痒みや痛みを迅速に鎮めることができます。

これらの薬は全て薬局で入手可能なOTC医薬品ですが、使用前には必ず説明書を読み、使用上の注意を守ってください。

また、人によって薬が合わないこともあるため、少しでも異常を感じた場合は使用を中止し、必要に応じて医師に相談することをおすすめします。

以上が蜂刺されの対処方法ですが、登山中は「虫除けスプレー」を使って防虫対策をしていても、虫に刺されることを前提に備えておくことが重要です。

以前紹介した「虫除けスプレーの正しい使い方」の記事も併せてご覧いただき、総合的な虫刺され対策を実践してください。

蜂だけでなく、ブヨやアブ、マダニといった他の虫刺されにも共通する対策として、必要なアイテムを準備し、刺された場合の対処を事前に知っておくことで、登山中のトラブルを最小限に抑えることが可能になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。