今回は山小屋泊について説明します。
これから登山を始める方や、登山を始めたばかりの方には、ぜひ山小屋泊に挑戦してもらいたいと思っています。
実際に山の中で寝泊まりする経験って、とても貴重で楽しいものなんです。
日帰り登山とは違った楽しさがありますし、何よりも山の上で過ごす時間が長くなるので、より山を楽しむことができます。
山小屋泊がどんなものか、まだ経験していない方は「山の上で泊まるってどうなんだろう?」とか「どんな装備が必要なの?」と不安になるかもしれません。
でも、心配しないでください。
山小屋泊はそんなに難しいことではありません。
むしろ、テント泊よりも装備が少なくて済むし、準備も簡単です。
今回はその山小屋泊の流れや、必要な装備、そして山小屋での注意点などについて説明していきます。
山小屋泊とは何か?
まず、山小屋泊とは何かということですが、簡単に言うと、山の上にある宿泊施設に泊まるということです。
登山をして山小屋まで行き、その小屋で1泊して、次の日にまた登山を続けたり、下山するという流れです。
日帰り登山では味わえない非日常的な体験ができるのが、山小屋泊の最大の魅力ですね。
例えば、朝日を山の上で見たり、夜には満天の星空を楽しむことができたり、まるで違う世界にいるような感覚が味わえます。
また、山小屋で提供される食事も魅力の一つです。
普通の日常生活では味わえないような山の中での食事が楽しめます。
私が今まで泊まった山小屋でも、いろんな美味しいご飯をいただきました。
中には、山小屋ならではの料理が出てくることもあって、それもまた楽しみです。
山小屋泊の持ち物や予約
必要な持ち物チェックリスト
では、次に山小屋泊に必要な装備について説明します。
基本的に、山小屋泊ではテント泊に比べて持って行く荷物が少なくて済むのが特徴です。
テントを持って行く必要がないので、その分軽装で済むんですね。
テント泊の場合だと、テント、マット、寝袋、調理器具などのギアが必要ですが、山小屋泊ではそれらが不要です。
登山初心者の方の場合、それらの装備を一度に揃えるとなるとお金もかかりますし、揃えることができたとしても、重くて実際持っていくことができないこともあり得ます。
持って行く荷物が少なく、気軽に楽しめるというところが山小屋泊のメリットだと思います。
山小屋泊に持っていくものは、小屋によって多少の違いはありますが、基本は大体一緒だと思います。
持って行く装備の例を以下にリストアップします。
①ヘッドライト(灯)
②歯ブラシ
③モバイルバッテリー
④耳栓
⑤アイマスク
⑥防寒具
⑦汗拭きシート
ヘッドライトは夜や早朝に行動する時に、灯りが必要なので、持って行きます。
歯磨き粉は山では使えませんが、歯を磨くために歯ブラシは持って行きましょう。
日帰り登山の場合は持って行かない方もいると思いますが、スマホを使うのであればモバイルバッテリーも持っていきましょう。
私は必ずモバイルバッテリーは持っていくことにしています。
便利なものとしては、耳栓とアイマスクがあります。
山小屋は個室とかもありますが、基本的に雑魚寝スタイルなので、周りの人のいびきが気になったり、早く寝たいときに灯りが目に入って眠れないといったことがありますので、耳栓やアイマスクは持っていったほうが良いと思います。
テント泊の場合の装備としては、上記以外に以下のようなものが加わり、大量に物を運ばなければなりません。
・テント
・マット
・シュラフ(寝袋)
・調理器具
・食料
・テント場サンダル
山小屋ですと布団が用意されているので、圧倒的に装備が軽くなるのがメリットです。
1泊2食付きといった小屋もありますので、山小屋のごはんを楽しむという意味でも食事は付けてもらった方が良いです。
夕食、朝食を付けてもらえば荷物が軽くなりますし、何よりおいしいです!
水場の有無や水を購入可能かどうかは事前に確認しておきましょう。
山小屋宿泊予約方法
もちろん、山小屋に宿泊する際の予約も必要です。
山小屋の予約は、主に電話かインターネットで行うことができます。
【電話予約の場合】
例えば、丹沢の尊仏山荘の場合は、電話予約です。
ホームページに電話番号が書かれているので、そちらに電話すれば良いです。
電話で何を話せばよいのかわからないと心配になる方もいるかもしれませんが、山小屋の人が全部聞いてくれますので、安心してください。
具体的には、名前、日程、人数、男女数、食事の有無、ルートの確認、到着時刻などで、山小屋の人が注意事項の説明をしてくれます。
【ネット予約の場合】
例えば、北アルプスの燕山荘(えんざんそう)の場合、ホームページから予約できる形になっていますので、必要事項を記入して予約すればよいです。
【予約キャンセルについて】
予約したけれども、天気が悪い場合にどうすれば良いか気になる方もいると思います。
キャンセル料がかかるから、天気が悪くても行かないといけない?と心配になるかもしれませんが、天候不良で行くか行かないか迷った場合は、わかった段階で早めに山小屋に電話かメールで相談してください。
私の経験では、過去にキャンセル料を取るという小屋はなかったです。
山小屋に到着してからの流れ
次に山小屋に到着してからの流れについて説明していきます。
まず最初にやるべきことは、山小屋に着いたら「チェックイン」を行うことです。
ホテルや旅館と同じように、山小屋でもチェックインをする必要があります。
山小屋の受付に行って名前を伝え、予約していることを確認します。
受付でのやり取りでは、夕食や朝食の時間、トイレの場所、寝る場所の案内などが行われます。
初めての山小屋だと、どこに何があるのかわからないので、しっかりと確認しておきましょう。
例えば、「夕食は何時からですか?」とか「トイレはどこですか?」など、わからないことがあれば、受付の際に聞いておくとスムーズに過ごせます。
特に山小屋では水が貴重なので、水場の使い方やシャワーの有無なども事前に確認しておくと良いでしょう。
また、山小屋に着いた時に雨で濡れている装備があれば、乾燥室に預けることができます。
多くの山小屋には乾燥室が用意されているので、レインウェアや濡れた服、ザックカバーなどを乾燥させることができます。
乾燥室がない場合でも、廊下や外の指定された場所に置くように案内されることがあるので、到着時に確認しておくと良いです。
そして、山小屋に着いた後、やってしまいがちなミスが一つあります。
それは「到着してすぐに寝てしまうこと」です。
登山で疲れているからといって、山小屋に着いてすぐに寝ると、頭痛になるリスクが高まります。
特に標高が高い場所では、到着してからしばらくの間は、体を慣らすためにゆっくり過ごすことが大切です。
頭痛が出てしまったり、気分が悪くなることがあるので、少し休憩して体を慣らしてから寝るようにしましょう。
山小屋の設備について
山小屋の設備についても少し触れておきます。
山小屋のトイレは、基本的に「バイオトイレ」という仕組みが使われていることが多いです。
バイオトイレでは、トイレットペーパーを流すことができない場合が多く、使用後のペーパーは専用のゴミ箱に捨てる必要があります。
これは初めて山小屋泊をする人にとって驚くことかもしれませんが、燃やして処理するため、ペーパーをゴミ箱に入れることが決まりとなっています。
また、山小屋には売店があることが多く、そこでビールや軽食、お土産などが購入できます。
例えば、Tシャツやバッジ、山小屋限定のアイテムを売っていることもあります。
これも山小屋泊の楽しみの一つですね。
私が好きな山小屋には、本がたくさん置いてあるところもあって、登山に関する書籍や、昔の山の写真集、さらには山に関する漫画なども置いてあるので、時間を忘れて楽しめます。
また、山小屋によっては「自炊スペース」が設けられているところもあり、自分で料理を作ることができる場合もあります。
自炊スペースでは、簡単な食事を作ることができ、特に夕食を持って行かなかった場合や、仲間と一緒にちょっとした料理を作って楽しむことができるので、とてもありがたい設備です。
たまにあるのが、お風呂がある山小屋です。
男女時間制で区切られているところが多いです。
山小屋泊のすすめ
小屋泊の良いところについて個人的に思うところをまとめます。
・荷物を軽くして行けるので、体力的な不安を軽減でき、初心者の方には特におすすめ
・山小屋の食事が美味しい
・山にいる時間を長くすることで、楽しみも増やせる
例えば、北穂高岳の生姜焼き定食がうまいし、西穂高では豚汁がすごくうまかったです。
山小屋で本格的な食事を食べられるのは、やっぱり最高ですね。
おススメの山小屋
関東なら、丹沢の尊仏山荘がおすすめです。
昔ながらの小屋で、おでん、カレー、漬物定食がうまい。
人気どころですと、北アルプスの燕山荘がおすすめです。
八ヶ岳の赤岳鉱泉も良いですね。ステーキが美味いです。
皆さんも日帰り登山だけでなく、山小屋泊登山も是非楽しんでみてください。